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宮崎市のまちづくりに必要なエリア・イノベーション

一昨日から、県議会自民党会派の研修会で東京に来ています。

私が政審会長として研修会の中身を企画したり、現地で進行を務めたりするので、大事な行事です。

1日目はリクルート本社にて、リクルート就職みらい研究所所長の岡崎さんから若者の地方還流・地元定着の可能性について講話頂き、活発に質疑応答が行われました。

 

 

そして2日目はプロスポーツトレーナーの木場さんや内閣府地方創生推進事務局の政策参与である佐々木基さんから講話を頂き、最後にエリア・イノベーション・アライアンス代表理事の木下斉さんから2時間弱にわたる講演と質疑応答。

 

 

木下さんはその著書も多数なのでぜひご覧頂きたいのですが、9年前に熊本城東マネジメント会社を起ち上げてしっかりとお金を生み出すまちづくり事業に携わったのを皮切りに全国各地でまちづくり株式会社を起ち上げるなど地域のまちづくりへ関わっておられます。

エリア・イノベーション・アライアンス

 

単にハコモノを作ったり区画整理をして見かけ上の地域活性化を目指すのではなく、不動産のオーナーたちと一緒に地域でお金を稼ぐことのできる仕組みづくりを目指しています。

まちづくりはアセットマネジメントととらえ、公共事業ではなく、その地域の共益事業だと説くことから始まりました。自分たちのためにやるから、自分たちも投資しようというスタンス。New Yorkでのまちづくりの考え方は徹底しているようで、特定地域へ公共投資することの妥当性を納税者から厳しく求められるので、公共がお金を出す額は固定資産税の上昇期待分をはじき出して決めるようです。

 

この本もとても良かった。

 

人口減少の局面になり、経済成長期とは需要と供給のバランスが完全に逆転している、と。

どんどん需要が伸びていた時代は民間だけでは追いつかない供給を公共も行うことで旺盛な需要を吸収していましたが、今は需要が減る時代に供給を増やしても価値が下がったり税金が無駄になるだけだ、と。

今の時代は供給をきちんとコントロールして既存施設を活用しつつ、資産価値を上げるような取り組み、リノベーションや公共資産の利活用がとても重要。

公園や河川、港湾、公共施設などなど。

 

コストや投資が過剰にならないようにしつつ、付加価値を高めるような「生産性」の高いまちづくりが必要。

全国でも発想を変えて取り組んでいる地域の成功事例はいくらでもある。

 

 

講演の内容はとても紹介しきれませんが、いずれ宮崎にお呼びしたいなと思いました。まちづくりの失敗事例もたくさん教えてくれたんですが(汚い空き店舗を改修して、キレイな空き店舗に生まれ変わった事例など)、やはりここでは紹介できません(焦)

今まであまり宮崎とは関わりが無かったとのことなので、多くの人に知って頂きたいと思いますし、AIAと組んで一緒にまちづくりに取り組むことができるような人材も宮崎にはいると思います。

たくさんの素晴らしいヒントを頂きました。木下斉さん、有難うございました。

宮崎の人手不足は深刻な状況に

2014年頃を境に、慢性的な人手不足が続いていますが、状況は悪化を続けています。

下は労働局のグラフですが、宮崎県の有効求人倍率は1.34倍となり、事業所が必要とする労働者の数(求人数)に、職を求める求職者数が追いついていません。

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江藤拓衆議院議員によるTPP説明会

連日、TPP説明の場が続いておりますが、今日は急遽江藤拓衆議院議員と元農水省畜産部長で現在顧問の原田英男さんより県内の自治体関係者、JAなど団体関係者向けの説明会が行われました。二人とも大筋合意がなされたアトランタに行き、江藤拓代議士はTPP交渉における国益を守りぬく会の会長として政府交渉団の背後から強いプレッシャーを与え続けてきました。直接、米国の商工会議所関係者等とも会談を持ったりしてきております。

突然の開催にもかかわらず、多くの皆さんで緊迫したムードでした。

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説明の内容についてはここでは書ききれるものではなく、もし後日余力があれば試みたいと思いますが、説明によると産業界にとってはその果実は非常に大きく、保健医療の部分もサービス自由化の例外として留保されており心配は無い、と。

国会決議で聖域と決めた5品目についても、日本政府の交渉の努力の過程がよく分かる説明で、「例外なき関税撤廃」は避けられたというのが率直な感想です。

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しかしそれでも、宮崎県にとっては牛肉、豚肉の分野で生産者にとって厳しい競争にさらされる部分は厳然としてあるのであり、そこについては全体の国益をつかむ上で涙を飲んだのだから十分な対策を求める必要があります。

また、日本から米国への輸出枠もこれまでの200トンから3000トン、最終的には6000トンへと広がり、枠外税率も撤廃されていきます。現時点で日本から米国へ輸出されている牛肉の3分の2は宮崎県産の和牛であり、宮崎は将来的に日本一の和牛輸出県であり、子牛生産県であると言われるように努力していかなければならない、それが夢であると。

そして、これからも政府の外から思い切り高めのボールを投げて行きたい、と決意を述べておりました。

個人的に驚いたのは、すっかり事務方が説明するものだと思っていたこの会が、皆さんの挨拶が終わった後に江藤代議士自身がおもむろにメガネを装着して資料をもとに説明し始めたことです。50分程度、説明は続きました。下の写真は座って資料をもとに説明をしている代議士。

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(失礼かもしれませんが)正直、いつも壇上で元気よく挨拶をされる代議士の姿しか見たことが無かったので、この風景はとても新鮮でした。

しかもその説明は非常に分かりやすく理路整然としており、率直に言ってイメージが変わりました(笑)

TPPについては国会での承認がまだです。

合意内容を国会において審議頂き、もし、承認するのであれば損害を被る部分については国による十分な手当がなされるよう県としても求めていく必要があります。同時に、新しいTPPの世界で、いかに宮崎県が外貨を稼ぐか、生産者や市町村、県とあわせて取り組んでいく必要を感じました。

TPP協定の医療にかかる内容(一部)

TPP大筋合意後、政府よりその内容がパブリックにされました。

我が県が入手している情報としても、政府がウェブサイトに公表している資料と報道によるもので、それ以上のものはありません。

TPP協定概要(PDF)

先日、県執行部とその内容について確認を行いましたので、まず医療について私の理解の及ぶ限りで紹介致します。

混合診療の枠の拡大など、保険診療にかかる議論はなされなかった

・医薬品の中でも開発にコストのかかるバイオ医薬品についてはデータ保護期間を5年+安全性の審査期間3年の実質8年以上とする。

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医師会が警戒していた、混合診療枠の拡大は今回の交渉には含まれていませんでした。

バイオ医薬品とは、微生物や細胞が持つタンパク質(ホルモン、酵素、抗体等)を作る力を利用して製造される医薬品で、世界ではヒュミラ、レミケード、エンブレル、といったRAやクローン病に用いられる薬、リツキサン、アバスチン、ハーセプチンなどの抗癌剤、ランタスといったインスリン製剤などが売上10位以内にランクインしており、医師であればなるほどとても高価な医薬品ばかりだなとすぐに分かります。

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データ保護期間が8年とは、新薬が販売されてから8年は後発医薬品の製造販売が許可されないということで、新薬を開発した製薬会社としては独占販売期間が長くなることで販売利益が増えますが、後発医薬品(ジェネリック)が製造販売されてしまっては価格競争力の点で劣ってしまい、販売利益は落ち込みます。

患者さんや高い医療費に悩む保険者にとっては、ジェネリックを少しでも早く普及させ、医療費を抑えたいという思いがあります。

日本では従来からデータ保護期間は8年なので、その点は今後も変わりません。

ただ、5年を主張していたオーストラリアは+3年の部分の審査期間を短くしようとしているとも報じられており、米国では製薬業界に圧力を受けている政治家が不満を表明しており、まだこの部分は流動的であるように感じます。

しかし、よく米国が従来の12年から実質8年に妥協したなと驚いたもので、これは個人的にはオーストラリアをの主張を称えたいところです。

大変高価な新薬については、その研究開発にかかるコストの回収と、経済力のない患者さんたちへのアクセシビリティーという二律背反の問題を抱えています。しかし近年開発されるバイオ医薬品は本当に目が飛び出るほど高価で、そのコストの背景には疑問の目も向けられているところです。そして、お金のない患者さんには治療を受ける権利は全くないのか、という倫理的な問題にも発展します。

New England Journal of Medicineの元編集長、マーシャ・エンジェル(昔は彼女のPodcastをよく聴いてました…)が書いた以下の著書では研究開発費とほぼ変わらない規模で投じられているマーケティング費の実態についても示されています。

また、オーストラリア等のTPP加盟国においてはデータ保護期間が切れたとしても、バイオ医薬品のジェネリックを製造販売できるほどの力を持った製薬会社を各加盟国は抱えているのか、という疑問や、新薬を製造販売する製薬会社は販売利益が落ち込む分を新薬の価格に転嫁するのではないかという懸念も見受けられます。

TPP協定の及ぼす医薬品業界への影響については引き続きウォッチしていく必要があると思います。

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