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議員による公務員濫用の実態

2016年6月26日 | 政治

政治家による公金や政治資金の使い方が問題とされますが、

他にも間接的な税金の無駄遣いがあります。

それは、ギリギリの質問通告で官僚に夜通しの残業を強いていることです。

 

県庁にも多くのキャリア官僚が国から出向して働いていますが、彼らの口から耳にする霞が関の業務はすさまじいものがあります。

ある方はこう言っていました。

議員の質問通告が揃うまでは関係部局の職員はみんな待機、夜遅くになってやっと質問が提出されたら、それから答弁書を作成して課長などの上司の決裁をもらい、自宅にいる局長へ夜中の2時に電話、OKが出たら翌朝早くの大臣説明までの1,2時間だけ家に帰る、という生活は普通です。

と。

本当かなあ、と思っていたら、このたび「霞が関の働き方改革を加速するための懇談会」で示された、国会に関する業務の調査結果が河野太郎大臣の指示で公開されました。

http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_hatarakikata/pdf/chousa.pdf

 

この調査結果、本当に深刻です。

これは表を抜粋したもの。

スクリーンショット 2016-06-26 18.01.59

 

どうやら、「総理や大臣が国会で受ける質問を各党の議員が事前通告するのは2日前までというルール」が暗黙のうちにあるようですが、全く守られていないようです。

質問通告の出そろう最も早い時刻が17時50分、最も遅くて24時30分

さらに、問表・作成局が確定した時刻は早くて18時50分、遅くて27時…

27時って午前3時です。それから答弁を確定させて大臣レクしてたら、絶対に徹夜確定じゃないですか…

 

国会関係者や霞が関の方々は、こんなの当たり前じゃない、そんなことも知らなかったの?と言いそうですが、逆に言いたい。

こんな異常事態に慣れてしまってる人の方がよほどおかしいですよ、と。

 

スクリーンショット 2016-06-26 18.09.15

 

宮崎県議会の場合、質問通告の締切りは一般質問の1週間前かその前後の正午と決められており、かなり厳格に守られています。この締切を過ぎて質問項目を増やしたら、議会運営委員会に諮られければならないほどハードルが高いのではないでしょうか。

もちろん、通告の段階ではざっくりとした内容なので、ここから具体的に細かく質問を固めていきます。そして、部長や知事の確認を経て答弁ができあがってきます。

場合によってはこの答弁について、質問の趣旨と噛み合っていない場合、横を向いていて全く答えていない場合など答弁の作り直しを要求することがあります。私はこれはいわゆる「すり合わせ」だとは思っていませんが、すり合わせになるかどうかはそれぞれの議員次第でしょう。

 

以前、ある議員についてはこのやり取りが夜遅くにまで及び、職員に過度な残業、負担を強いているということで議長など幹部から注意がなされたこともあった、と聞いております。

このように、県議会でも議員側の都合によって職員の残業を強いることがないわけではありませんが、度が過ぎると問題視され、改善が求められます。

 

***

 

私の場合、質問の趣旨確認や答弁確認のやり取りは極力17時半前に終わるようにしています。執行部がそれ以後に趣旨確認や説明に来ようとしても、今日はもう帰るから明日以降にしましょうと言います。その他、メールでもやり取りします。

県庁で多くの部屋の明かりが夜遅くまでついているのを見ると、とても嫌な気分になります。効率的な働き方ができていないし、それを阻害しているのはなんなのだろうと思います。

職員が定時に帰ることができれば、残業による人件費もかさむことはありませんし、家庭でパートナーや子どもとの時間を持つことができますし、外でご飯を食べに行くなり映画を見に行くなり、街の活性化にも貢献します。

もちろん、緊急時や時期によっては何をどう効率化しても残業が発生せざるを得ないということも分かります。その線引が難しいということも承知しております。しかしそれでも、日本人は残業することに対してとてもおおらかといいますか、ルーズであると感じます。

 

***

 

なんとなく、長く職場にいて働けば働くほど仕事をしているような気がする、仕事をしているように評価されるのではないかというマインドセットが染み付いていないでしょうか。定時に帰ることが、まるで仕事よりもプライベートを優先していますと言わんばかりの態度に見えまいかと後ろめたさを感じていないでしょうか。

病院で働いている頃も、こんな仕事量、昼間のうちにちゃちゃっと済ませれば終わるはずなのに定時を過ぎてもだらだらと病棟に残って仕事をしている医師は少なくありませんでした。(本当に仕事が終わらないことも当然少なくないわけですが)

残業をすることは昼間のうちに仕事を終えられなかったことの証であり、余計なコストを生み出しているという意識がもっと広がらないかなと思います。

こうした働き方の課題へ率先して取り組むべき政治家自らが、常軌を逸した要求によって公務員の残業を招いているとしたら本末転倒だと思います。

この調査結果を受けて、「そんなこと前から分かっていたし国を背負う官僚ならこなして当然だ」と訳知り顔でスルーするのではなく、現代の日本において恥ずべき因習なので即刻改めて欲しいと思います。(だいたい、それだけのコストに値する質問がいったいどれほどあるのでしょうか…)

清山とものりプロフィール

清山 知憲(きよやま とものり)


前・宮崎県議会議員。
平成18年東京大学医学部卒業後、沖縄県立中部病院研修を経て、米国ニューヨーク市のベスイスラエル病院にて内科インターン修了。
平成21年宮崎大学医学部第三内科入局。
平成23年、平成27年ともに宮崎市選挙区にて一位当選。
平成29年9月に議員辞職。

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