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エビデンスとは?大事な補足説明

2017年7月25日 | 政治

こんばんは、宮崎市長選挙へ出馬表明しました清山知憲です。

 

昨日は分かりやすい図解もなく、一気に書き上げた記事だったのですが意外に反応が良かったです。

今日は誤解のなきよう、追加の注意点と説明です。

 

「エビデンス」とは直訳すると「根拠」ですが、文脈によって意味合いが異なります。

エビデンスに基づく政策、教育、医療という時のエビデンスの意味とは、「ある因果関係を示唆する統計学的知見」という風にご理解頂ければと思います。

「因果関係を示唆する」という言葉が重要で、仮説を支える単なるデータとは異なります。

 

たとえば、地域の社会減(地域外への流出が流入を上回っている状況)の対策を考えるとき、外にいる若者を地域へ呼び込みたいと考えます。

そして、若者が集中しちえる都会にあって地域にないものとして、物価の安さや通勤時間の短さ、環境の良さがデータとしてある、と。

これらのデータをエビデンスとして、PRをしていけば若者は地域へ流れてくるはずだ、と。

 

この例の場合、因果関係を示唆しない生のデータを背景に、地域の良さをPRすれば、若者が地域へ戻ってくるという仮説を立てているに過ぎず、実際にそうした政策を実行すれば期待通りの成果が得られるかどうかはさっぱり分かりません。

もしどこかの地域でそうした政策を実行した場合と実行していない場合で比較をし、成果がきちんとした形で検証されていればエビデンスとして認められるでしょう(成果が出ても出なくても、一つのエビデンスとして重要です)。

 

なので、エビデンスに基づく政策とは、単にデータを見ることとか、オープンデータを推進して統計資料を整備していくことだけではありません。

もちろんデータすら見ず、勘や経験だけで解決法を導くのは持っての他ですが、因果関係を示唆しないような生のデータから適当に導き出される結論も同様に危ういものは多数存在します。

朝食を食べる子と学力には相関関係がある、よって、朝食を食べさせれば子どもの学力は伸びるはずだ、みたいな誤謬です。

 

じゃあ、実際に政策を立案する時に参考とすべきエビデンスなんかあるのか、という問に対しては、多くが海外のものとなってしまいます。

私が参考にしたのは以下の書籍で、いかにオバマ政権下でエビデンスに基づく政策が推進されてきたかを説明しております。

 

たとえば、子どもの性教育をどうすべきか。

共和党の主張する貞操教育がいいのか、民主党の主張する現実的な性教育がいいのか、常にイデオロギー論争になっていた問題にケリをつけたのは、実際にそれらの政策を比較した研究結果でした。

米国のCDCのウェブサイトには、Evidence-Based Teen Pregnancy Prevention Programs(エビデンスに基づく10代の妊娠の予防プログラム)として紹介されていますが、保守派の主張する貞操教育では10代の妊娠は減らすことができず、結局はこのプログラムのようなプラクティカルな性教育プログラムが成果を上げたということで推進されるようになってきております。

 

 

子どもの貧困対策の一環でもありますが、Nurse-Family Partnershipというプログラムも、児童虐待や子どもの健康、学力といったアウトカムを向上させたというエビデンスに基づき、推進されております。

リンク先のウェブサイトには、きちんとこのプログラムがエビデンスに基づくものであるということが説明されております。

 

 

社会的養護下におかれている子どもたちは、施設養護よりも里親のような家庭養護の方が愛着形成に資するし、その後の子どもの発達にとっても良いという考えがあります。

これも、特定の養育者の庇護下にいた方が愛着形成するはずだ、という理屈だけでは弱く、エビデンスが必要です。

それを示したのが、ブカレスト早期介入プロジェクト。

ここでは詳しく説明しませんが、里親のもとの子どもたちの方が多くのアウトカムで改善を示したことが報告されています。

 

 

昨日、知人の細川甚孝さんに教えて頂いたのですが、葉山町ではゴミ分別とゴミ量削減のための政策をランダム化比較試験の手法を用いて検証し、成果が証明された手法を採用しているようです。

このように国内自治体でもまだわずかですが取り組み始めている所は生まれつつあるようです。

 

 

以上説明したように、国内でのエビデンスの蓄積は少なく、海外のエビデンスも単純に自分の地域へ適用できるかどうか(外的妥当性の検証)は慎重に検討し、やはりあてはまらないよね、という結論になることも少なくないと思います。

そのように先行研究の少ないなかでエビデンスに基づく政策形成を推進するということはとてもチャレンジングなことで、どこまでできるか分かりませんが遅かれ早かれ財政難の日本では取り組んでいく必要のある方向性であることは間違いありません。

 

 

補足説明のはずが、今日も長くなってしまいました。

この辺で。

清山とものりプロフィール

清山 知憲(きよやま とものり)


宮崎県議会議員二期目。 平成18年東京大学医学部卒業後、沖縄県立中部病院研修を経て、米国ニューヨーク市のベスイスラエル病院にて内科インターン修了。 平成21年宮崎大学医学部第三内科入局。 平成23年、平成27年ともに宮崎市選挙区にて一位当選。

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