清山知憲ブログ

宮崎市の夜間急病センター小児科の危機、市はどう対応するのか

2017年1月20日 | 医療政策| 県政

宮崎市の夜間急病センターの小児科が、4年後の深夜帯の撤退を検討しているというニュースが県内を走りました。

 

1月20日の宮崎日日新聞紙一面

 

NHKやMRTさんなど、テレビ局も一斉に報道したようです。

MRTのNextより

 

小児科が全部なくなるわけではなく以下の画面にあるように午後11時〜午前7時の深夜帯の診療を辞めざるを得ないかもしれないという検討です。

 

この問題は昨年から私も散々関わってきましたし、報告会のたびに以下のスライドを紹介してきました。

急に降ってわいた問題では決してないんです。

 

 

この問題、急病センターの事業主体は「宮崎市」であり、それを「宮崎市郡医師会」へ委託している形となっています。

なので純粋に宮崎市政上の課題であり、県議の立場からあれこれ言うのも難しかったのですが、これだけの報道になっていますので私の立場からオープンにできることを説明して参りたいと思います。

 

そもそも、深夜帯当直に入る60歳未満の開業医の数が31年度から激減するという問題は一昨年くらいから小児科医の先生より問題提起されておりました。

しかし一向に問題解決に向かう気配が無いとのことで、私も相談を受けましてまず昨年の7月7日の16時より宮崎市議会の議長応接室に医師会推薦の市議団と私、そして宮崎市郡医師会事務局が集まり状況報告を受けました。

市議の先生方も深刻に受け止め、これは何とかしなければならないということで、その場では「市当局も呼んだ上での勉強会」と、「県に対して支援を求める要望」を行おうということが決まりました。

 

それから8月22日の16時に再度市議会の会議室に集まり、市の健康管理部長、市議団、私、医師会事務局の4者が集まり問題の協議をしました。

その際、市当局としては公式にまだ方針を決めていないこと、今後の県内の小児科医の動きについて慎重に見極めているという旨が確認され、市議団として市長に対して問題解決に動くよう要望すること、そして県と県病院局、県議会に対しても同時に支援を求めることが確認されました。

 

それから私自身も、県議会の9月定例会において9月9日、この問題を取り上げさせて頂きました。

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(清山)

続いて、医師不足、特に小児科医の不足について取り上げますが、宮崎市は、ありがたいことに年間365日、お正月もお盆も夜の7時から翌朝7時まで、内科、外科、小児科、全部いつでもかかることができる夜間急病センターが整備されております。こうした体制は、県内だと宮崎市と都城市だけであります。また、都道府県レベルで見ても、必ずしもこれが当たり前じゃなくて、九州では佐賀市や大分市などは、全くこうした体制にはなく、小児科で言うと午後10時までの診療で、午後10時を過ぎると患者さんたちで探してくださいというような体制になっています。なので、こうした体制はいつまでも当たり前のものではなくて、いつなくなってもおかしくないものではありますが。
 近年、小児科医の高齢化に伴い、今から3年後には、宮崎市内でも午後11時以降の深夜帯に勤務する小児科の60歳未満の医師が6~7人程度まで激減することが予想されています。そうなると、まず深夜帯の診療を中止するということが現実的なものとなってきます。そこでまず、県内の小児科医の年代構成と全体の数の推移、それから他県の医学部からの派遣状況についてお伺いします。

(福祉保健部長)

まず、県内小児科医の年代構成についてでありますが、厚生労働省の調査により、現在、比較検討可能な平成24年と26年を比較しますと、30代から50代までがそれぞれ30名前後で推移しておりまして、60代以上が32名から35名と若干増加しております。また、本県の小児科医の数ですけれども、新医師臨床研修制度が実施されました平成16年の129名から、平成26年は132名と若干増加しております。
 次に、他県大学から常勤で派遣されている小児科医の数でございますが、平成28年4月現在で、福岡大学から都城市郡医師会病院に2名、熊本大学から都城医療センター及び県立延岡病院に、それぞれ5名となっております。なお、国立病院機構宮崎病院には、大分大学から平成26年度は3名、27年度は1名派遣されておりましたが、28年度は、大分大学からの派遣にかわり宮崎大学から2名派遣となっております。

(清山)

県内全体の小児科医の数、また年代別の数も、それほど減ってはいなさそうです。しかし、川南の病院は、今あったように大分大学が引き揚げてしまい、宮大がカバーするようになりました。また、都城は福岡大学、熊本大学からの派遣に大きく依存しており、特に熊本大学は、都城と延岡それぞれに常勤の小児科医を5人ずつ、合わせて10人も派遣してくださっていて、これは大変ありがたいんですけれども、リスクでもあると認識しなければいけないと思います。こうした他県医学部への依存や急病センター当直医師の高齢化、そして、従来あるように県立こども療育センターの常勤小児科医の確保など、小児科をめぐる県内の状況は大変厳しいんですけれども、県の認識と今後の取り組みについてお伺いします。

(福祉保健部長)

子育て支援など少子化対策に取り組んでいる中、お話にありました夜間急病センターの当直医師の確保を初め、小児科医を含めた医師の確保は、県全域にわたる大変重要な課題であると認識しております。このため、宮崎大学医学部への地域枠、地域特別枠の設置や、医学生への医師修学資金の貸与、地域医療・総合診療医学講座の設置を初め、特に小児科医の確保を図るために、小児科専門医を目指す後期研修医に対し研修資金の貸与を行っているところであります。今後とも、宮崎大学医学部等と連携を図りながら、小児科医の育成・確保に取り組んでまいりたいと考えております。

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はっきりと宮崎市への支援を具体的にどうこうしろ、と言えない質問内容になっているのは、宮崎市としてどうするのか方針がはっきりしていなかったためです。

宮崎市の事業に対して、宮崎市の意向も分からず県が頭ごなしにこうやって支援させて頂きましょう、というのは全く変な話で、我々としても微妙な立場でした。

 

 

その後、実際に市議団としては市長へ要望を行い、また県議会と県にも9月20日13時にお越しいただき様々な話をさせて頂きました。

その際の記事を宮日の藤本さんがまとめてくださっています。

 

2016年9月21日 宮崎日日新聞朝刊 20面

 

さらにその後、宮崎市議会でも12月議会で鈴木一成議員がこの問題を取り上げ、12月9日に戸敷市長が県へ来られ、協議会を持ちたい等の要望を正式にされております。

 

 

しかしこの間、問題解決への動きが遅く、市郡医師会の小児科の先生もついに「撤退」という言葉を昨年末から口にされはじめ、今日の報道に至ります。

 

 

 

今後ですが、なにぶん今まで公式な「協議の場」すらなかったのでどうなるのか分かりませんが、以下のような選択肢があると思われます。

 

・県病院小児科の協力を得て存続に努める

・宮崎大学小児科の協力を得て存続に努める

・他県の大学小児科の協力を得て存続に努める

・周辺地域の小児科医や医局所属でない勤務小児科医の協力を得て存続に努める

・2021年度以降、撤退。

 

私の質問にあるように、宮崎市の現在の体制が当たり前ではありません。

他県の県庁所在地でも、年間を通して深夜帯の小児科診療が用意されていないところはいくらでもあります。なので、撤退は現実的な可能性としてあります。

 

 

ただ、都城市は福岡大学と宮崎大学から小児科医の派遣を受けていたり、延岡市は準夜のみですが日向市の小児科医から協力を得たりと、それぞれ独自の努力でぎりぎりの体制を続けています。

様々な選択肢はありつつも、撤退は現実としてあり得るという緊張感で臨まなければならない問題だと思います。


清山とものりプロフィール

清山 知憲(きよやま とものり)

宮崎県議会議員二期目。 平成18年東京大学医学部卒業後、沖縄県立中部病院研修を経て、米国ニューヨーク市のベスイスラエル病院にて内科インターン修了。 平成21年宮崎大学医学部第三内科入局。 平成23年、平成27年ともに宮崎市選挙区にて一位当選。

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