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激しい批判にさらされた県立宮崎病院の再整備計画

2016年11月21日 | 医療 県議会

今日は自民党会派の政策調査会が行われ、病院局から県立宮崎病院の再整備計画について説明がありました。

 

・基本設計後の建設費と関連経費が306億円に膨れ上がったこと(構想時は185億円)

・実施設計を随意契約で引き続き日建・コラム設計業務共同企業体にお願いすること

 

についてです。

これは10月末の閉会中の厚生常任委員会でも報告され、宮日新聞で報道もされたところです。

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その内容が本日、改めて自民党会派所属議員に説明されたところ、厳しい批判の声がにさらされました。

その内容と経緯を説明します。

 

 

そもそも昨年2月まで、病院局においては県立宮崎病院の建物を一部残す形での大規模改築か全面建て替えかを病院機能やコストの面から検討し、最終的に全面建て替えで行くと2月議会で知事が表明されました。

 

宮日新聞2015年2月26日より引用

「 県は2012年度に検討に着手。敷地北側に新病院を建設する「全面改築案」(事業費約185億2千万円)と一部既存病棟を活用して大規模な改築を行う「診療棟改築および病棟改修案」(同約143億7千万円)の2案に絞られていた。」

 

その結果、

「知事は「全県レベルの中核病院で、今後もその機能を果たしていく使命を考えると、十分な機能強化が図られ、さまざまな課題も改善できる全面的な建て替えが必要と考えている」と述べた。」

 

と。

しかし基本設計ができあがってみると、事業費約185億円と見込んでいたものが306億円に膨らみました。

 

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【なぜ増えたのか】

まず165億円と見込んでいた建設費が、

・資材費や人件費の高騰で74億

・床面積の増加で19.5億

・敷地狭隘のための仮設費増で2.4億

・洪水対策の地盤嵩上げ1.5億

・液状化対策の地盤改良2.4億

・主要電気回線の二重化で2.6億

と、それぞれ増加となっております。

 

この結果、基本構想時に37万円/㎡の単価が、53.6万円/㎡に膨れ上がりました。

さらに関連経費も改修工事碑が4億から16億へと増加しており、その内訳としては

・第1類感染症病床の整備、研修医宿舎、教育研修・研修センターの整備6.8億円

・上記に関連するインフラ整備2.2億円

・付属棟の整備2.7億円

となっております。

 

合計、基本構想時の185億円が306億円と121億円の増となっており、さらに立体駐車場や医療機器の整備も別途必要です。

 

 

【議員からの意見】

これに対して、

・そもそも単価37万円/㎡、建設費165億円という構想で基本設計など必要議案も可決したのに、その後にこれほど高くなるのはおかしい

・一部改修か全面建て替えかで検討していて、コストがそれほど変わらないという判断で全面建て替えを決断したのに、これほど膨らんでしまっては元に立ち返る必要があるんじゃないか

 

という趣旨の意見が相次ぎ、政策調査会もまとまらず終わりました。

確かに、議会のGOサインが出た時と現在でこれほど額が変わってしまってはおかしいという声が出るのももっともです。

 

 

【財源は?】

こうした整備費用は、病院局が起債をし、その借金返済には病院と県で半分ずつ負担します。

県が肩代わりする分の元利償還には、稼働病床数や国の定める建築単価など一定の基準に基づいて国から地方交付税が措置されます。

なので全て県の税金で建てるというイメージではなく、整備費用の半分を病院の収益から賄い、残り半分を県の予算から繰り出す、そして繰り出しの一定の割合は国からの交付税があてられるという仕組みです。

 

 

【なぜ見積もりが甘かったのか?】

病院局からの説明としては、基本構想時に参考にした病院は下の資料にある通り、平成24年までの公立病院の整備費用であり、それらは概ね30万円/㎡前後の建築単価だった。それが平成26年以降はぐっと跳ね上がったために、基本構想時と今回の価格差となってしまったとのことです。

しかし平成24年までの価格は、リーマンショック後の極端に低い時期だったという指摘もあります。

 

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さらに県立宮崎病院の整備費用がかさむ理由としては、

・現地建て替えであり、敷地面積に限りがあること(狭い!

・「過去に事例のない先進的な設計」なので、高コスト体質になるのはプロポーザルで現在の設計を採用した時点で想定された(先進的でなければなかったのだろうかという疑問もありますが)

三次の救命救急センターを抱え、研修医を受けれ入れる基幹型病院であり、さらに基幹型災害拠点病院であり、さらに高度医療を担う病院である

 

といったものがあり、他の公立病院とは単純にコストだけで比較はできないところだと思います。

 

さらに、上記の三点目を言い換えると、現在の非常に貧弱な救命救急センター、研修医の教育環境、災害対応能力、設備の老朽化では現状で放置するわけにもいきません。

ヘリによる患者搬送なんて、大淀川の河川敷にヘリを着地させ、そこまで県病院から車で迎えに行っているのが現状です。

ほか、不都合を挙げれば各診療科から無数に出てくるでしょう。

 

 

【今後について】

ただ、昨年2月に全面建て替えを決定した時の試算からすれば、現在明らかになった額はかなりかけ離れているのは事実です。

病院の機能をできるだけ犠牲にすることなくこれ以上のコスト圧縮策はないのか、そして整備費用を捻出するために県の実際の負担はどれほどになっていくのか、国からの交付税措置はどれくらいなのか、もしくは抜本的に見直すのか、病院局は真剣に検討をし、説明をしていく義務があると思います。

でなければ、議会は納得しないでしょう。

 

清山とものりプロフィール

清山 知憲(きよやま とものり)


前・宮崎県議会議員。
平成18年東京大学医学部卒業後、沖縄県立中部病院研修を経て、米国ニューヨーク市のベスイスラエル病院にて内科インターン修了。
平成21年宮崎大学医学部第三内科入局。
平成23年、平成27年ともに宮崎市選挙区にて一位当選。
平成29年9月に議員辞職。

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